2019年12月
工務室・デザイン室・製版・印刷管理室・色見台
蛍光管のように時間とともに照度の劣化が少なく、品質管理の強化にもつながっていることを高く評価いただき、長寿命と平均演色評価数Ra97を実現していることなどが採用のポイントでした。
UV印刷機と油性印刷機・オフ輪・オンデマンド印刷機では、印刷物の色の見え方に違いがでるとのこと。この問題を解決するために取り組んだのが「JapanColor」を色管理のルールの1つとし標準光の下で標準濃度で刷ったものを自社の標準的な印刷物としていこうという認識のもと2016年にスタート。しかし、それでも難しかったのがオンデマンド印刷の色相の違いであったと同社・生産管理統括の竹中裕一部長は振り返る。「この問題を解決するため、2015年頃からデザイン・製版部門の蛍光管を演色AAA※2のものに交換した。しかし、蛍光管は新しいうちはRa95以上あっても、劣化してくるに従って90台前半、へたをすると80台後半にまで落ちることもあり、印刷物を見る場所によって色が違ってくるという課題があった」と標準光を継続的・安定的に供給するには欠けていた蛍光管のデメリットについて指摘されていました。
3社から比較検討し、5万時間の長寿命とRa97を実現していることが当社のニーズにマッチした。また、交換作業も簡単(直結工事)にできそうなのがエコリカのLEDランプを選択したポイントでした。
「色相の違い」の問題を継続的・安定的に解決
本数の「間引き」によりさらなる省エネ化
2019年12月にエコリカLEDランプを設置完了。その効果について「現場のオペレーターは『すべての機械の色が合った。また、これまでのように見る場所によって色が違うということはなくどこで見ても色の見え方は同じで安定している』と驚いていた」と話している。(竹中部長)エコリカのLEDランプを採用したことによる期待について「まだ採用したばかりだが、消費電力は確実に落ちるはずである。5万時間ということは午前9時から午後5時までの日勤なら7〜8年は交換する必要がないという計算になる。また、照度が落ちることを気にする必要もないため、色校正環境の標準化という面からも、品質管理の強化にもつながっていくと期待している」と話す。(若山営業本部長)さらにエコリカのLEDランプは十分な照度(lux)があるため部署によっては本数を「間引き」して設置しております。印刷機の色見台では従来、平均6本の蛍光管を設置していたがエコリカのLEDランプでは照度(lux)が明るすぎるため4〜5本に間引きして設置しており「6本取り付けると明るすぎて逆に色が飛ぶほどである。測定機で測ったところ3,000luxもあり従来の倍になっていた」。(竹中部長)また、同社では明るさの目安を800luxとしているため工務と製版ではその数値に合わせた本数に「間引き」して設置しているとのことでRa97の演色性と2,100lmの明るさを両立しているその効果を実感いただいております。
※1.Ra:演色性の単位。照明光が及ぼす物体の見え方のことで、太陽光の平均演色評価数をRa100としている。
※2.演色AAA:JIS Z 9112に定める蛍光ランプの演色性の種類。平均演色評価数Raの最低値95以上、演色評価数R9〜R15の最低値の設定など、厳しい基準が設けられている。
●ルクス(lux):照明の明るさを表す単位。